アホウドリの散策

旧アホウドリ天文台です

火星のノースノード通過

今日は火星が黄緯0度でした。

12月の概況をさらっと流し過ぎたので、ちょっと詳しく書こうと思います。

 

南側から北側への移動でしたから、火星ノースノードですね。

 

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暦象年表 - 国立天文台暦計算室で時刻確認しますと、日心座標と地心座標で若干時刻が異なりますが(なぜ?)、12:30ぐらいでしょうか。

 

ステラナビゲータで太陽から火星を見ますとこんな感じです。

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アストロコムで作ったヘリオセントリックチャート。

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以前、惑星の黄緯の+と-の期間について調べましたが、
近日中の黄緯イベントと、黄緯が+側-側の期間について - アホウドリ天文台
火星部分の表です。最後の欄を追加しています。

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火星の公転周期は687日、黄緯の-側に近日点があるので、-側のほうが短くなります。 

2020年火星の動き:
2/2サウスノード通過 → 7/8黄緯最小 → 8/3近日点 → 12/2ノースノード通過

惑星のノードは、地球の公転軌道(黄道)を、他の惑星が通過するポイントです。地球の公転面と他の惑星の公転面が交差するポイントとも言えます。このポイントを火星が通過すれば、地球の基準面と火星の基準面の両方が揺らされていると考えてもいいのではないでしょうか。水面を伝わる波のように、その効果は地球と火星の全体に及ぶように思われます。

 

ところで、火星ノースノードと水星のノースノードは、かなり近い黄経にあります。他の点についてはどうでしょうか。惑星のノースノード、サウスノード、近日点、遠日点、惑星独自の春分点、を黄経順に並べてみましょう。

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黄経値が近いところを色分けグループにしてみました。

この表に、今日(火星ノースノード)の惑星の位置を追加してみましょう。

 

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さて、ここで考えてみたいのは、当該軌道の当該惑星だけが影響するのか?ということです。

  • 水星ノースノード≒火星ノースノード=火星

これについては、火星が、ほぼ同時に火星の公転面と地球の公転面と水星の公転面の三つの面を揺らしていると考えてもいいと思います。もちろん同じポイントに地球が来た場合と水星が来た場合も、水星と地球と火星の三惑星いずれにも影響があると考えてもいいのではないでしょうか。

 

問題は、この黄経48~50度のあたりに、水星・地球・火星以外の惑星が来た場合です。他の惑星の場合は、この黄経を通っても黄緯は0度ではありません。つまり地球や水星や火星の水面には触れていないということです。ただ黄経の縦糸は揺らしています。

この離れたところからの縦糸の揺れは、水星・地球・火星の水面を揺らすのでしょうか?

また逆に、この縦糸に乗った惑星は、水星・地球・火星の水面を感じられるのでしょうか?

うーん、難しそうな気もしますが、可能性は狭めるよりも広げておいたほうが楽しそうです。他の惑星が通過した場合も、幾分かは影響があるかもしれない。

 

そうしますと、

の影響も考慮にいれてもいいかもしれません。冥王星は自身のサウスノードを2018年10月に通過しました。このとき地球と冥王星の水面が揺れました。その後、2020年1月に冥王星土星コンジャンクションもありました。黄経の縦糸は大きく揺れたことでしょう。そして2020年7月に冥王星土星のサウスノードの黄経を通過しました。これについては、2018年10月や2020年1月ほどの影響はないかもしれませんが、まったく無いとも言い切れない。前の二件で冥王星土星と地球の関係はセンシティブになっていそうですしね。現在は冥王星も離れてきましたが、まだ少し揺れは残っているかもしれません。

 

ノードについての問題提起をしておきますと、これらはすべて地球の公転面を通過する点だということです。地球第一、地球があっての話だということです。

当然、地球を含まない惑星同士のノード、例えば、水星公転面と火星公転面のノード、というものもあるわけです。

地球に住んでいれば、地球への影響が強い地球関連ノードを考えるのは当然なのですが、全惑星を扱おうとするならば、それでは全然足りていない。

ですから私としては、地球ノードの範囲だけを見て、先ほどのような当該惑星以外のノードという微妙な影響を考えるよりも、地球以外の惑星同士のノードを考えてみたい、という希望はあります。ただ、そのような値は巷のデータでは見かけないので、ちょっと調査するのが難しいかもしれない。

 

 

ノード以外にもヒットしているポイントがあります。

天王星が太陽から最も遠くなる黄経位置に海王星がある、ということになります。惑星が自身の軌道の近日点、遠日点を通るなら、それは大きな変換点となるでしょう。しかし他の惑星が通る場合はどうなのか?

これについては、もう少し考察したほうがいいかもしれません。

 

もう一点

もしこれが、ヘリオセントリックではなく、冥王星を中心とした冥王星セントリックの話であれば、ジオセントリックの場合と対応させて考えてもいいかもしれません。つまりジオセントリックの♈0に天王星が来た場合の読みを応用するということです。

しかしこれはヘリオセントリックでの話ですから、冥王星春分点冥王星が来ると、冥王星自身は秋分ということになります。しかもこの位置にあるのは、冥王星ではなく天王星です。

私としては、これについては今のところ、あまり考えなくてもいいように思っています。各惑星の春分点は各惑星に属するもので、他の惑星やヘリオセントリックにまで広げないほうがいいのではないか、という見解です。

 

ただこれを言い出しますと、普段のヘリオセントリックで提示されているサイン、あれは地球の春分点基準ですから、それについても私は疑問を呈していることになりますね。

 

もっと根源のところで、太陽中心の太陽は、自分の周りの惑星位置を記したヘリオセントリックチャートを、何のために使うのだろうか?ということを考える必要があるのかもしれません。(6として24を使うのか、12として48を使うのか、というあたりです。)

もしくは、太陽を中心にして回る惑星たちの視点で、惑星らはグルグル回る自分たちの位置を知ることで、なにを得て、どう活用するのか、ということです。地球がヘリオセントリックチャートで得た知見を、地球のジオセントリックに持ち帰ろうとするなら、地球が自身の春分点を使ってヘリオチャートへ臨むというのは、ありかなと思います。(48から少し上って24を垣間見たら、また48へ戻ってそれを使う、そんな感じでしょうか。)